当社創業 一号機の《 プリアンプU・BROS-1、メインアンプUTY-1 》から現行製品の修理・オーバーホールをお受けしています。当社の修理・オーバーホールは「総合点検」を行うため、横浜事業所での作業を基本としております。これによって工場出荷時の性能を回復させると共に、さらに長期間安心してご使用頂けるよう心掛けております。
修理ならびにオーバーホール方針について
ウエスギアンプは一般の真空管アンプに比べて長寿命、高安定性を特徴として おりますが、長年の使用に伴い部品の損耗、劣化により性能、音質が低下いた します。この回復のためにサービスを必要といたします。
オーバーホールは使用頻度にもよりますが、工場出荷後おおむね15年以上経過 し、その間弊社でのメンテナンスがされていない製品にご案内しております。 弊社ではモデルごとに製造番号単位でメンテナンス経歴が保存されております。 オーバ-ホールに関しては製造会社の責任において膨大な件数の修理実績があ り、これに基ずいてモデル別の作業リストが用意されており、お客様が気付か れていない不具合、近い将来生ずる確率の高い不具合を未然に防止する予防的 措置も行われます。 オーバーホールを実施する事で製品は工場出荷直後の初期性能を回復いたしま すが、新品と同一の長期安定性を保証するものではない事をご了解ください。
修理に関してはお客様ご用命の不具合修理と基本動作の点検作業を行います。 この点検作業で追加の修理が必要となった場合は、お客様へご報告し、ご了解 の後に次工程へ進みます。 修理ならびにオーバーホール作業は極力オリジナルの新品部品を用いて行い真 空管、マスターボリューム、バランスボリューム等、使用に応じて劣化する部 品は原則的に交換いたします。 使用しなくても長期保存に伴い性能が悪化するオイルコンデンサーのような部 品は、出力管の事故を未然に防止する観点からこのカップリングに用いられて いるオイルコンデンサーは全数フィルムコンデンサーへ交換いたします。 このコンデンサーは現行ウエスギアンプに使用している実績と信頼の確立した 国産部品です。
お願い
作業により交換した部品ならびに真空管はお客様へ返却せずに弊社がお預かり いたします。 一時期、お客様の強いご希望で交換された真空管を返却いたしましたが、この 真空管が上杉純正真空管として流通した結果、多方面にご迷惑をおかけした経 緯がございます。
真空管全盛時代に生産された貴重な真空管を上杉研究所特製 のエイジングマシンで性能の安定化、選別を行った高品質真空管ゆえに管理を 徹底すべきとの創業者故上杉佳郎氏からの方針を再確認し堅持しております。 何卒、背景ご理解のほどお願い申し上げます。